御社の部門別会計は、ちゃんと「活きて」いますか?

(2)組織と会計の整合性

社長、貴社の部門損益はちゃんと「活きて」いますか?

 

「ちゃんと毎月現場に渡しているけど、責任感が感じられないんだよな。のれんに腕押し状態だよ…」

良く耳にします ^ ^ ;

 

こんな時、確認して欲しいのは

    組織図と利益責任が整合しているか?

     組織図でのポジションが上になればなるほど、利益責任はPLの下に向かう様になっているか

    その利益責任に応じた権限が与えられているか

ということ。

 

上記の①を図にすると…

という事。

 

「例えば」ですが、最前線の営業パーソンは「売上」や「売上総利益(=粗利)」に対して汗をかき、店長や所長などの拠点長はその拠点の「営業利益*」を背負い、さらに上位職の事業部長は為替や金利も含めた「経常利益」に心血を注ぎ、社長は全ての損益を含めた「純利益」と真剣勝負をしている、という図式です。

 

それぞれポジションに応じた利益責任を負うという事は、それだけの権限も持つ、という事。

権限がなく責任ばかり追及すると…

 

「そんな事いわれてもなぁ…」「それ、俺の責任!?」と他責に繋がり

モチベーションと生産性が低下し

面従腹背状態となって数字も何も上がらなくなる

 

…ハイ、無気力組織の出来上がりです。。。

ザンネンながら、むしろそういう組織が多いのも事実。

組織設計と、それに呼応した部門別会計ができないのは、殆どの場合

  (A)人事面と会計の整合性が必要、という事に気づいていない(気づけない)か、

  (B)気づいていても、経理部門と人事部門の間に壁があって実現できない

からでしょう。

 

前回お伝えした通り、部門別会計は、上手く運用すれば業績を【劇的に】改善するパワーがあります。

驚くほどに。

 

それには責任に応じた権限を付与する事(少なくともそう感じてもらう事)*と、会計と人事の整合性を担保する事がマスト。この部門別会計の作りこみとその運用方法は、管理部門が腕マクリをして格闘するところ!です。

 

「んな事言っても、ウチみたいな中小ではそんな細かな権限規定なんてムリムリムリ!!!」。

ですよね~。

中小企業で権限規定をキッチリ備えているところなんて、殆どありませんよね。

 

大事なのは規定の有無ではなく、「現場に納得感があるかどうか」です(←ココ、とても重要!)。

決裁権がなくとも、発議や提案ができるとか、事前に社長から意見を求められるとか。

 

仮に自分の意見が通らなくとも、意思決定に関わった上で決断を下された事に関しては、現場の方は多くの場合、素直に受け入れます。そうすれば、後は自分の責任を負う数字に対して、自ら「何が悪かったのか?」「どうすれば良いのか?」を考え、すんなりと行動に移す様になっていかれます。こうした事を積み重ね、従業員の方の眼の色や発する言葉、エネルギーの量が段々と変わっていかれます。そういう場面に立ち会えるのが、本当に楽しいのです ^ ^

 

さて、次回は部門別会計の締め、「ベクトルはこうして合わせる!」です。

 

 

〔注〕

*通常のPLと異なり、部門での管理可能な費用のみを部門負担とした場合の「貢献利益」で測るという

 考え方もあります。

 

*今やピラミッド式の組織構造自体がその利点を失いつつありますが、とは言えそれに代わる組織形態が

 上手くハマっている事例はまだまだ少ない為、ここではピラミッド型組織を前提として論を展開しています。

 

 

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