
先日、経産省より、「ローカルベンチマーク(通称ロカベン、らしいです)」なるものが公表されました。
経営者の方は、ざっとで良いので、一度目を通されることをお勧めします。
このツールの狙いとして、
・経営者、金融機関、支援機関が企業の状態を把握(企業の健康診断)し、目線を揃える
・事業性評価(後述します)の入り口としての活用を期待
と書かれており、更に、
・「財務情報」と「非財務情報」入力により経営状態の変化に早めに気づく
注)財務情報 :売上高増加率など6つの指標
非財務情報:経営者、関係者、事業、内部体制の4つの指標
・早期の対話や支援に繋げていく
と述べられています。
現在の「決算書の分析」と「担保・保証」中心の金融機関の姿勢が、
今後は定性部分の「事業性評価」を考慮したものに変わっていきます。
尚、ここには経営分析の基本的なフレームワークがちりばめられているのが分かります。
(バリューチェーン、5Fなど)
この事業性評価、今までも「定性面評価」として金融機関の審査内容としては存在しましたが、
事実上は殆ど機能しておらず、「定性部分は殆ど加味しない。定量のみ。」と断言する
地方銀行もあったほどです。
恐らく、判断の基準が難しい(人によってブレる)、銀行自体に事業を評価するノウハウが乏しい、
という事情があったのではないでしょうか。
金融庁に森長官が就任されてからこの金融機関の審査姿勢(より根源的には存在意義)が
問われ続けてきたワケですが、今回は(経産省の公表とはいえ)
それがかなり具体的な形になって公表された、と考えて良いのではないかと思います。
【参考サイト】
地域金融機関による事業性評価について(平成26年10月 金融庁)
冒頭に掲げたロカベンは経産省ですが、「事業性評価」の比重が
今後重みを増してくるのはほぼ確実です。
余談ですが、金融機関も「オーバーバンキング」と言われて久しく、
金利収益も取りにくい状況て、特色の出せない銀行は淘汰される局面に
既に入っていると考えて良いと思います。
「水は、高い方から低い方に流れる。」
金融機関の審査に関しても、上記の様な方向には(早い遅いはあれど)
移行せざるを得なくなってくるでしょうね。
使い方が分からない、ディスカッションしながら作りたい、という経営者の方は
お気軽にご連絡下さい。
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